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令和5年第6回諫早市定例会 総括説明(令和5年9月1日)

以下は、2023年9月に行われた諫早市議会での、大久保の総括説明となります。テキスト化し掲載いたします。

本日ここに、令和5年第6回諫早市議会定例会を招集しましたところ、議員の皆様には御健勝にて御出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。

初めに、7月5日に御逝去されました松本正則議員に対し、心から哀悼の意を表します。
松本正則議員は、合併前の旧諫早市議会議員を2期務められた後、平成17年4月に市民の負託を受け、合併後の諫早市議会議員に当選されて以来、平成27年4月に副議長、平成29年4月には議長を務められるなど、長きにわたり市勢振興において多大なる御貢献と御尽力を賜りました。また、その卓越なる識見と指導力は地域の方々にも厚い信望を得ておられました。
ここに松本正則議員の御功績をしのび、謹んで御冥福をお祈り申し上げます。

今年の夏は、昨年と同様、全国的に大気の状態が非常に不安定となることが多く、7月7日から10日にかけて、梅雨前線が西日本から東北地方付近に停滞し、九州北部地方や中国地方を中心に記録的な大雨による被害が発生しました。

8月9日、10日には台風6号が本県に接近し、本市では災害警戒本部の設置に合わせ、避難所開設や高齢者等避難を発令するなどの対応を図りました。
また、15日には台風7号が近畿地方を北上し、各地に被害をもたらしました。

今年度、本市では大きな被害が発生しておりませんが、秋雨前線による大雨や台風の襲来に備え、気を引き締めて防災対策に当たる必要があります。
このような中、本市におきましては、本日付で総務部危機管理課に地域防災マネジャーの資格を有する自衛官経験者1名を特定任期付職員として配置いたしました。防災に関する施策の改善をはじめ、自衛隊との連携・協力や、災害発生時の対応力向上などを図りながら、災害に強いまちづくりを推進してまいります。

去る6月16日、国におきまして、経済財政運営と改革の基本方針2023、いわゆる骨太の方針が閣議決定されました。
この基本方針におきましては、我が国が時代の転換点ともいえる構造的な変化と課題に直面する中、30年ぶりの高水準となる賃上げや、企業部門の高い投資意欲などの動きをさらに加速させるため、労働市場改革による構造的賃上げの実現、人への投資の強化、少子化対策・こども政策の抜本強化などを進めることとされております。
また、DX、GX、創業等に係るスタートアップ推進や新たな産業構造への転換など、官と民が連携した投資の拡大と経済社会改革の実行に向けた取組も行われることとされました。
本市におきましても、引き続き国の動向を見極めながら、適切に市政運営を行ってまいります。

去る5月8日、新型コロナウイルス感染症法上の分類が、2類相当から季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられ、感染者の入院勧告や外出自粛要請など特別な対応は終了し、個人の選択を尊重し、自主的な取組を基本とした考え方に変更となり、新型コロナウイルスと共存する日常を迎えたところであります。
なお、ワクチン接種につきましては、公費負担による特例臨時接種は継続され、今月20日から生後6カ月以上の方を対象に、令和5年秋開始接種を実施することとしております。
この秋開始接種においては、現在、感染の主流となっておりますオミクロン株のXBB系統に対応したワクチンを使用することとなっております。
市としましても、社会経済活動を維持しながら、適切な対応に努めてまいります。

それでは、その他の市政の主要な事項につきまして、御説明申し上げます。

【スポーツの分野での活躍】
第105回全国高等学校野球選手権記念大会に、夏の大会としては5年ぶり3度目の出場となりました創成館高等学校は、2回戦におきまして高い守備力からの勝負強い試合運びで、強豪相手に甲子園で勝利され、諫早市民に元気を与えてくれました。
惜しくも3回戦で敗れはしましたが、夢の大舞台で活躍された選手たちの健闘をたたえたいと思います。

【文化の分野での活躍】
7月19日に行われました第169回直木賞選考会におきまして、本市出身の作家、垣根涼介さんの「極楽征夷大将軍」が受賞作に決定しました。垣根さんの作品がノミネートされるのは今回が3度目となることから、今度こその思いで心待ちにしておりましたが、見事に受賞されたことを市民の皆様と一緒にお祝いしたいと思います。今後も垣根さんが多くの魅力ある作品を発表され、ますます御活躍されますことを故郷、諫早の地から祈念いたします。

7月25日から27日までの期間、東京都で開催されました第70回NHK杯全国高校放送コンテストのアナウンス部門において、同部門では3,048名という多くの参加者の中から、諫早高等学校2年の古賀美希さんが見事優勝に輝きました。また、7月29日から8月4日までの期間、鹿児島県で開催された第47回全国高等学校総合文化祭放送部門のアナウンス部門においても優秀賞を受賞されました。本市の若者の活躍は市民の皆様にも大きな活力を与えてくれるものであり、大変うれしく思っております。

【平和行政の推進】
去る7月27日、コロナ禍で中止しておりました戦争・被爆体験講和会を4年ぶりに開催いたしました。語り継ぐ家族の被爆体験を通して、市民センターに集まった学童クラブの子供たちに、戦争のない平和な世の中の大切さを伝える機会となりました。

先月9日、78回目となる長崎原爆の日を迎えました。今年は台風6号の本県接近により、本市で開催予定の平和のつどいをやむを得ず中止し、市のホームページ等で私の思いと、市民の皆様などから寄せられました平和へのメッセージを伝えさせていただきました。

同月11日、天満町の百日紅公園において、諫早市原爆被災者協議会主催の諫早原爆犠牲者慰霊祭が開催されました。市内の小中学生が平和への誓いを読み上げ、参列者一同で核廃絶と平和への思いを新たにしたところであります。
また、鎮西学院大学の学生が司会を務めるなど、小・中・高・大学生といった若い世代が運営に携わり、被爆者の思いを継承する場となるよう取り組まれていました。私も慰霊祭に出席し、この戦争の記憶を次の世代へ語り継ぐこと、そして平和な世界の実現へ向けて、たゆまぬ努力を続けることが大切であると感じたところであります。

本市としましても、平和都市諫早宣言の理念に基づき、原爆パネル展の開催や、戦争被爆体験証言ビデオ制作などの取組を行いながら、平和の尊さや原爆の恐ろしさ、悲惨さを若い世代に継承していきたいと考えております。

【商工業の振興】
本市では、市内への工場等の新設・増設を奨励し、産業振興と雇用機会拡大を図るため、諫早市工場等設置奨励条例に基づく雇用奨励金制度を設けております。
この制度は、工場等を新設・増設し、交付要件を満たした法人等につきまして、市内居住の新規雇用者数に応じて奨励金を交付する制度であります。

現在、南諫早産業団地への新たな企業進出や中核工業団地内の企業による大規模な拡張が行われていることから、雇用奨励金の交付額を増額することで、企業誘致の推進や市内居住者の雇用促進を図り、地域経済の活性化につなげていきたいと考えており、諫早市工場等設置奨励条例に係る所要の改正案を今期定例会に提出しております。

【諫早公園駐車場整備事業】
諫早公園は、ヒゼンマユミが群生し、暖地性の樹叢が良好に残存する貴重な地域として、国指定の天然記念物である諫早市城山暖地性樹叢区域に指定するとともに、国の重要文化財の眼鏡橋を有する本市の代表的な観光名所であり、都市公園として市民の憩いの広場になっております。

このたび、諫早公園の駐車場と眼鏡橋周辺の園路整備に係る所要の予算案を今期定例会に提出しており、公園の利用促進と、市の観光名所としての利便性向上を図ってまいります。

【西九州新幹線開業1周年】
西九州新幹線は、関係者の皆様の御尽力により、昨年9月23日に開業し、間もなく1年を迎えます。
開業後の利用者数は、JR九州によりますと、本年7月25日に200万人を突破し、また、通勤・通学定期を購入して新幹線を利用する方が本年6月末時点で開業時の約2倍に増えており、利用者数は順調に推移しているとの評価がなされております。
本市においても、諫早駅iisa交流広場でのイベントなどが増え、にぎわいが創出されるなど、開業効果が表れつつあります。

市としましては、こうした開業効果を拡大・波及させていくことが重要であると考えており、今後も駅周辺の道路整備を進めるほか、地域の観光資源やスポーツを生かした誘客、情報発信などに積極的に取り組み、開業を契機とする交流人口の拡大に努めてまいります。

開業1周年を迎える今月23日には、諫早駅iisa交流広場をメイン会場に、市役所前芝生広場及びアエル中央商店街の3会場において、諫早市新幹線開業記念事業実行委員会主催による西九州新幹線開業1周年記念イベントを開催します。また、県、沿線自治体、JR九州においても各種イベントが開催されることとなっており、関係機関や市民の皆様とともにイベントを盛り上げたいと考えております。

【地域おこし協力隊】
都市部からの人材を活用し、地域協力活動に従事しながら、その地域への定住・定着を図る地域おこし協力隊につきましては、令和2年度に1名、令和4年度に3名を採用し、SNS等を活用した本市の魅力発信などを行いながら、地域に根差した活動に取り組んでおります。

現隊員の主な活動地域は、諫早市全域が2名、小長井地域が2名となっており、諫早市全域で活動する隊員は市内の様々な事業所とのつながりを生かした新商品の開発や古民家を利用したイベントの実施などに取り組んでおります。
また、小長井地域で活動する隊員は、地域住民と協働した地域活性化への取組や山茶花高原ピクニックパーク・ハーブ園の活性化に向けた新たな商品開発などに携わっております。

今年度も、本日付で新たに多良見地域と飯盛地域の魅力発信などを主な活動とする隊員を、それぞれ1名ずつ採用しました。6名体制となった地域おこし協力隊の活動により、さらなる地域活性化と移住・定住の推進につながることを期待しております。

以下、主な提出議案につきまして、概略を御説明申し上げます。

議案第59号「諫早市企業誘致促進地区における固定資産税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例」は、平成22年に開始した本市独自の課税免除制度について、近年、企業の大規模な拡張などにより、課税免除の額が想定以上に大きくなっていることから、安定した財源確保のため、制度の見直しに係る所要の改正をしようとするものであります。

議案第66号「令和5年度諫早市一般会計補正予算(第3号)」は、1億7,000万円の追加予算を計上するもので、補正後の総額は706億4,300万円となり、前年度同期と比較して4.6%の増となります。
なお、追加議案として人事案件と令和4年度各会計決算の認定に関する議案などを予定しております。

以上、総括的に申し述べましたが、詳細につきましては、担当部局長から説明をいたします。
よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げ、私からの総括説明を終わります。

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