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2022年第3回諫早市議会定例会 総括説明(2022年6月10日)

以下は、2022年6月に行われた諫早市議会での、大久保の総括説明となります。テキスト化し掲載いたします。

本日ここに、令和4年第3回諫早市議会定例会を招集しましたところ、議員の皆様には御健勝にて御出席を賜り、厚く御礼申し上げます。
初めに、6月4日に御逝去されました松尾義光議員に対し、心から哀悼の意を表します。
松尾義光議員は、合併前の旧多良見町議会議員を2期務められた後、平成17年4月に市民の負託を受け、合併後の諫早市議会議員に当選されて以来、建設委員会委員長や経済環境委員会委員長を務められるなど、長きにわたり市政の発展と市民福祉の向上に多大なる御貢献と御尽力を賜りました。また、その温厚篤実なお人柄は地域の方々にも親しまれ、信望を集めておられました。
ここに松尾義光議員の御功績をしのび、謹んで御冥福をお祈りいたします。

新型コロナウイルス感染症に係る本県の状況でございますが、ゴールデンウィーク以降、5月中旬までは感染者数、病床使用率ともに増加傾向にありましたが、その後は減少傾向で推移し、重症化しにくいウイルス特性やワクチン接種の進展などにより、感染者数が病床使用率の上昇に直結しにくい状況であることから、昨日6月9日に県内の感染レベルをレベル1に引き下げ、県内全域に発令されておりました警戒警報が注意報に切り替えられました。
また、このたび、国において60歳以上の方や基礎疾患をお持ちの方などに対する4回目のワクチン接種の実施が決定され、本市では県内で最も早く5月27日から4回目接種を開始したところであります。
これまで本市では、ワクチン接種を着実に実施してきておりますが、全国的な傾向と同じく、3回目接種において、30代及び40代の接種率が伸び悩む傾向が見られます。
本県を含め、全国的な感染者数は減少傾向にあるものの、依然として感染リスクは身の回りに潜んでおります。市民の皆様には、発症の予防や重症化リスクの低減にもつながるワクチン接種を積極的に受けていただくとともに、3密を避けるなど基本的な感染防止対策の徹底も併せてお願いいたします。

新型コロナウイルス感染症に係る緊急経済対策としましては、昨年度に引き続き、一定の要件を満たす生活困窮者の方々へ生活困窮者自立支援金を支給するほか、地域経済の活性化を図ることを目的に、市内の商業団体等が実施するオリジナル商品券の発行やイベント開催に係る経費への助成をはじめ、新しい生活様式に対応するため、店舗等へのキャッシュレス決済端末の導入に対する支援を行うなど、所要の予算案を今期定例会に提出しております。

去る5月15日、光江橋下流の本明川河川敷におきまして、3年ぶりとなる令和4年度諫早市総合防災訓練を開催しました。共催機関でもある国土交通省や長崎県をはじめ、関係機関36団体、約900名が一堂に会し、大雨や地震を想定した各種工法訓練や救助訓練などに取り組み、相互連携の強化と防災意識の高揚を図りました。本市としましても、地域防災力のさらなる強化に努め、災害に強いまちづくりを推進していく思いを新たにしたところであります。
この場をお借りしまして、訓練の実施に当たり御協力をいただきました関係機関の皆様に御礼を申し上げます。
これから大雨による災害発生に警戒が必要な季節を迎えます。気象情報には細心の注意を払うとともに、避難所の開設においては、新型コロナウイルス感染症対策を講ずるなど、防災対策には万全を期してまいります。

国営諫早湾干拓事業を巡っては、平成22年の福岡高裁における開門確定判決の執行力の排除を求め、国が提起していた請求異議訴訟について、3月25日、福岡高裁は開門確定判決に基づく強制執行が権利の濫用になるとの国側の主張を認め、平成22年の開門確定判決が事実上無力化することとなりました。その後4月8日には開門を求める方々がこの判決を不服とし、最高裁に上告されております。
本市としましては、引き続き訴訟の動向を注視するとともに、市民の安全・安心を守ることを最優先に考え、防災・農業・漁業・環境の各観点から県や各関係機関と連携を図り、今後も適切に対応してまいります。

令和元年度から、多良見町舟津地区に整備を進めておりました、伊木力浄水場につきましては、本年3月に竣工し、5月11日には多くの関係者の方々に御臨席を賜り落成式を執り行わせていただきました。
既に4月1日から供用を始めた本施設は、伊木力川から5,000トン、近隣の深井戸から1,000トンを取水し、合計で1日当たり最大6,000トンの浄水処理能力を有しております。
また、河川の水が濁った場合でも、一定の浄水量を確保するため、膜ろ過方式を採用するなど、水道水のさらなる安定供給はもとより、地域の活性化、定住人口の拡大、農業及び工業の振興にも寄与できるものと考えております。

いよいよ9月23日には西九州新幹線の開業を迎えます。去る5月10日には、今回導入される新幹線車両かもめの走行試験が開始され、諫早駅の新幹線ホームにおいて、歓迎セレモニーを開催しました。新幹線車両の到着に合わせた鎮西学院大学ジャズアンサンブル部による歓迎演奏や本市高来町出身の西尾麻衣子運転士への花束贈呈を行うなど、多くの市民の皆様にもこのイベントに御参加いただき、開業機運のさらなる盛り上がりを感じたところであります。
また、西九州新幹線開業の日に合わせ、新たな観光列車である、ふたつ星4047が武雄温泉・長崎間で運行を開始することがJR九州から発表されました。この列車は、内陸部を走行する西九州新幹線に対して、西九州の海めぐり列車をコンセプトに、日本一の干満差を誇る有明海ルートと、波静かで琴の海とも称される大村湾ルートの2つが設定され、週末や祝日を中心に運行が予定されており、四季折々に変化する海の表情を楽しみながら、沿線の魅力を体感できる本市の新たな観光資源になります。
西九州新幹線との相乗効果にも大きな期待がかかるこのふたつ星4047は、本市では、諫早駅と小長井駅に停車することが決定しておりますので、関係機関や市民の皆様と一体となって、諫早の魅力発信と賑わいづくりに取り組んでまいりたいと考えております。

それでは、市政の主要な事項につきまして御説明申し上げます。
【子育て環境の充実】
本市におきましては、現在、第2期諫早市子ども・子育て支援事業計画に基づき、幼児期の教育・保育の量的拡充と質の向上に取り組んでおり、今年度は保育需要が高い中央区域の2施設において、認定こども園の施設整備に対する支援を行いたいと考えております。
このほか、市の単独事業として、現在、償還払い方式で実施している小・中学生福祉医療費について、本年10月から現物給付方式に移行するとともに、昨今の国際情勢やコロナ禍による物価高騰の影響が子育て世帯の負担増につながらないよう、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、小・中学校及び保育所等の給食に係る支援を実施することとして、それぞれ所要の予算案を今期定例会に提出しております。

【文化の振興】
去る4月23日、千々石ミゲル墓所推定地の調査に取り組まれている民間団体から、「第4次調査の結果により、当地が千々石ミゲル夫妻の墓所であることが明らかになったと考えられる。」との見解が示されました。長きにわたり民間主体で歴史解明という壮大なロマンに取り組まれてきた関係各位の御努力と熱意に敬意を表したいと思います。市としましても、諫早市文化財保護審議会の御意見を賜りながら、今後の保存や活用などについて検討を進めてまいります。
また、懸案事業の1つでありました市民の文化交流拠点となる中規模ホールの建設につきましては、庁舎前中央交流広場を候補地としまして、老朽化が進む市民センター等の機能を集約するなど効率的で、かつ中心市街地の活性化にも資する新たな施設の整備に向けた基本構想、基本計画の策定準備を進めてまいりたいと考えております。

【スポーツの振興】
本県のほか、福岡県、大分県及び佐賀県の北部九州ブロックで開催が決定しております令和6年度全国高等学校総合体育大会(北部九州インターハイ)について、県内で実施する9競技のうち、ボート競技とウェイトリフティング競技が本市で開催されることが決定しました。本市としましても、長崎県をはじめ、関係自治体や競技団体等との緊密な連携のもと、再来年の開催に向けた準備を着実に行うとともに、この機会を通じてスポーツのまち・諫早を全国に発信してまいりたいと考えております。

【交通基盤の整備】
令和2年度から整備を進めてまいりました諫早駅東口の交通広場につきましては、4月29日に開通式を執り行い、同日午後からタクシーの乗り入れを開始したほか、5月16日からは、長崎県交通局の運営により、県内唯一となる鉄道駅直結のバスターミナルが再開発ビルiisaの1階に移転オープンし、路線バスの運行が始まりました。
これによりまして、鉄道からバス・タクシーなど2次交通への乗り換えの利便性が飛躍的に向上し、公共交通機関の利用促進が図られるものと考えております。
また、国道や県道など幹線道路網につきましても順調に整備が進捗しており、5月21日は高規格道路、島原道路のうち一般県道諫早外環状線の長野インターチェンジ・栗面インターチェンジ区間、約2.7キロメートルの供用が開始され、長野インターから諫早インターまでの約7キロメートルにわたる自動車専用道路が開通いたしました。
また、島原道路の一部を構成している国道57号森山拡幅につきましても、令和5年度中に工事が完了し、森山東インターチェンジ・森山西インターチェンジ区間、約3.3キロメートルが開通する見込みであることが、国土交通省九州地方整備局から発表されたところであります。
このほか、国道34号大村・諫早拡幅についても、5月9日に大村市とともに推進支援本部を設置し、国等関係機関との連携体制を整備するなど着実に事業の推進が図られているところであります。今後も公共交通や幹線道路網の整備を推進し、県内交通の要衝としてふさわしい交通体系の実現に努めてまいりたいと考えております。

以下、主な提出議案につきまして、概略を御説明申し上げます。
議案第29号及び議案第30号は、令和3年度の一般会計及び国民健康保険特別会計に係る補正予算について専決処分を行いましたので、議会の承認を求めるものでございます。

議案第31号「令和4年度諫早市一般会計補正予算(第1号)」は、一定の要件を満たす子育て世帯を対象とした給付金支給事業に係る補正予算について、専決処分を行いましたので、議会の承認を求めるものでございます。

議案第33号「諫早市こども未来基金の設置、管理及び処分に関する条例」は、未来を担う子どもたちの健やかな育成と移住・定住の拡大に向け、市政の重要施策として子育て支援事業を重点的かつ継続的に実施するため、将来にわたる安定的な財源を確保することを目的とした諫早市こども未来基金を創設することとして、基金の設置等に係る条例を定めるものでございます。

議案第38号「令和4年度諫早市一般会計補正予算(第2号)」は、30億7,000万円の追加と債務負担行為2億1,103万円を計上するもので、補正後の総額は664億3,700万円となり、前年度同期と比較して3.6%の増となります。
なお、追加議案として人事案件を予定しております。

以上、総括的に申し述べましたが、詳細につきましては担当部局長から説明をいたします。
なにとぞ、よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げまして、私からの総括説明を終わります。

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