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2021年第5回諫早市議会定例会 施政方針(2021年6月25日)

以下は、2021年6月に行われた諫早市議会での、大久保の施政方針となります。テキスト化し掲載いたします。

おはようございます。
本日ここに、令和3年第5回諫早市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には御健勝にて御出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。
このたび、私は諫早市の第5代市長として、市民の皆様の御負託を頂戴し、歴代市長が連綿と礎を築いてこられた、「郷土・諫早」の輝かしい未来へ向けた新たな市政のかじ取りを担わせていただくこととなりました。
今期定例会に臨むに当たり、その責任の重大さに改めて身の引き締まる思いであり、全身全霊、市長としての職責を全うする決意を新たにしております。
議員各位におかれましては、今後の市政運営に対し、何とぞ御指導と御協力を頂き、「オール諫早」でお力添えを賜りますようお願い申し上げます。

それでは、今期定例会に提案しております令和3年度補正予算案をはじめ、議案の御審議に先立ちまして、私の市政運営に係る基本的な所信と施策の大綱を述べさせていただきます。

現在、市政におきまして最優先で取り組むべき喫緊の課題は、全国で今なお終息の兆しが見えない新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と、近年頻発し激甚化する自然災害への対策でございます。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止につきましては、本市においても高齢者の方々を対象としまして、去る5月17日からトランスコスモススタジアム長崎などを会場としたワクチンの集団接種を、また、同月24日からは、市内の各医療機関において個別接種を開始しております。

また、かかりつけの医療機関が不足する地域におきましては、市のふれあい施設等を利用した巡回での集団接種を引き続き展開してまいります。
今後は、基礎疾患を有する方など国が示す優先順位に基づくものと並行し、保育士や教職員などクラスターの発生が懸念される施設の職員の方々を対象とするなど、感染予防に対し効率的で効果的なワクチンの接種手法を検討してまいります。

今後もワクチン接種を希望される全ての市民の皆様に、安心して、かつ円滑に接種していただけるよう、諫早医師会や長崎県看護協会、長崎県健康事業団など関係機関の御協力を賜りながら接種態勢の整備を進めるとともに、市民の皆様への情報提供につきましても適切に行ってまいります。

また、本市独自の緊急経済対策としまして、新生児を持つ家庭の経済的支援を目的として、本年4月2日から来年4月1日までに生まれた新生児に対し、1人当たり10万円を支給する「赤ちゃん応援給付金事業」並びに県、市及び飲食業関係団体が共同で行う第三者認証制度により認証を受けた感染防止対策を適切に実施している飲食店に対し、1店舗当たり5万円を支給する「飲食店認証制度推進事業」を実施するほか、国の補助事業により「一定の要件を満たす生活困窮世帯を対象とした自立支援金」を支給することとしまして、所要の予算案を今期定例会に提出しております。

また、本市独自の緊急経済対策としまして、新生児を持つ家庭の経済的支援を目的として、本年4月2日から来年4月1日までに生まれた新生児に対し、1人当たり10万円を支給する「赤ちゃん応援給付金事業」並びに県、市及び飲食業関係団体が共同で行う第三者認証制度により認証を受けた感染防止対策を適切に実施している飲食店に対し、1店舗当たり5万円を支給する「飲食店認証制度推進事業」を実施するほか、国の補助事業により「一定の要件を満たす生活困窮世帯を対象とした自立支援金」を支給することとしまして、所要の予算案を今期定例会に提出しております。

また、去る5月20日に施行された災害対策基本法の改正により、市町村が発令する避難情報について、「避難勧告」をなくし「避難指示」に一本化されるなど新たな基準が設けられており、市民の皆様が警戒レベルに合わせた適切な避難行動を取っていただけるよう事前の周知を確実に実施し、自治会などと連携し、感染症対策に配慮した安全な避難所運営など「災害に強いまちづくり」を推進してまいります。

昨年7月25日に市が管理する轟峡の遊歩道で発生しました法面崩壊により、2名の貴い人命が失われ、1名が重傷を負われるという大変痛ましい出来事が発生し、来月で1年を迎えます。
改めまして、お亡くなりになられました方々に心より哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われました皆様にお見舞いを申し上げます。

市としましても、この事案を重く受け止め、二度とこのような悲しい出来事が発生しないよう、学識経験者らで構成する第三者機関「令和2年7月豪雨に伴う轟峡法面崩壊等再発防止検討委員会」に諮問させていただき、去る3月30日に御提言を頂いたところでございます。今後この提言内容を踏まえ、法面対策をはじめ施設の安全管理について適切に対策を講じてまいります。

また、将来にわたり持続可能で自立したまちづくりを行うためには、ポストコロナ時代を見据えた施策の展開が必要不可欠でございます。
発展的なスクラップ・アンド・ビルドを念頭に置きつつ、真に市民のため、諫早市のための施策を積極的に提案し、国、県、近隣自治体等の関係機関や自治会の皆様との連携を図りながら、スピード感をもって地方創生に取り組んでまいりたいと考えております。

古くから県内交通の要衝として発展した本市の強みを活かし、交流人口の拡大、産業の活性化と雇用の創出、快適で安全な住環境の整備などを推進し、「来てよし、住んでよし、育ててよし!あなたのまち・諫早!!」の実現を目指してまいります。特に子育て支援制度の拡充は、本市のまちづくりの大きな柱として考えており、小・中学校給食費の無償化につきましては、財源をはじめとする諸課題を整理し、検討してまいりたいと考えております。

また、地域の実情を踏まえた交通弱者への対応の在り方など、地域交通対策について検討を進めるとともに、本市の定住化促進を図るため、市街化調整区域などの土地利用規制の見直しにも、関係機関と緊密な連携を図りながら果敢にチャレンジしてまいります。

国営諫早湾干拓事業につきましては、令和元年6月の最高裁判決により非開門の司法判断がなされ、今後も開門しないという国の方向性に変わりないものと考えておりますが、本市としましては、現在審理中であります他の訴訟の動向を注視するとともに、引き続き市民の安全、安心を守るため、防災・農業・漁業・環境それぞれの観点から、県や関係団体と連携し適切に対応してまいります。

九州新幹線西九州ルートにつきましては、去る4月28日、現在整備中である「武雄温泉・長崎間」の路線名称を「西九州新幹線」に決定したことがJR九州から発表されました。
この名称には「西九州を広く全国にPRし、地域全体の発展に寄与したい。そして地元の皆様から末永く愛され、親しみを持っていただきたい。」との思いが込められております。本市としましても、来年秋頃に予定されているこの西九州新幹線の開業効果を本市の地域振興に最大限活用できるよう、効果的な施策を展開してまいりたいと考えております。

現在、国土交通省と佐賀県により幅広い協議が行われている、「新鳥栖・武雄温泉間」の整備方式につきましては、この区間の対面乗換方式が長期化することなく、本市としても最善の選択肢と考える全線フル規格での整備に御理解いただけるよう、県や関係自治体と連携し国などに対し働きかけてまいります。

それでは、令和3年度の具体的な施策の大綱につきまして、第2次諫早市総合計画の施策体系に従い、御説明申し上げます。

第1 輝くひとづくり
(1)健やかなひとづくり
全国的に少子化が進行する中、本市におきましては、令和2年度から令和6年度までの第2期諫早市子ども・子育て支援事業計画に基づき、家庭と地域、そして行政が一体となって、「幼児期における教育・保育」と「地域の子ども・子育て支援」を総合的に実施し、未来を担う子どもたちが健やかに成長し、保護者が喜びとゆとりを実感しながら安心して子育てができるまちづくりを推進しております。

教育・保育の量的拡充と質の改善につきましては、保育需要が高い西部区域における民間保育所の新設や学童クラブを含む保育施設の老朽化に伴う改修や建替えに要する経費に支援を行うこととしているほか、夏休み期間中においては、必要に応じて各小学校の学校施設を学童クラブに開放するなど保育環境の向上を図りたいと考えております。

また、ひとり親家庭の小・中学生に対する学習環境の充実を図るため、大学生や教員OBなどボランティアの知識と経験を活用した学習指導などの支援を実施することとしております。

妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援の推進につきましては、とりわけ育児への不安を抱える産後初期段階の産婦に対しまして、健康診査費用を助成することにより、医療機関との連携を密にし、産後うつや新生児に対する虐待予防を図るなど産後の心身のケアを充実させてまいります。

このほか、「安心して子育てができるまちづくり」のさらなる推進を図るため、現在、償還払いとしております小・中学生に係る医療費の現物給付化及び保育所等における第2子に係る保育料の負担軽減の拡充に向けた検討を早急に進めてまいりたいと考えております。

(2)こころ豊かなひとづくり
新型コロナウイルス感染症の影響で1年延期されておりました東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が、7月23日に開会式を迎えます。感染症対策にも厳重な対応が求められますが、スポーツの持つ大きな力で世界中の人々の希望となる大会となることを願っております。

本市としましても、この大会を契機とした機運の盛り上がりとともに、本市が持つ充実したスポーツ施設を活用しながら、未来のトップアスリートを育むための競技力向上はもとより、全ての市民が生涯にわたりスポーツを楽しみ、誰もが生き生きと活躍できる共生社会の実現を目指してまいります。

また、今回の大会には、本市出身のアスリートとして、体操競技の種目別鉄棒に4大会連続のメダル獲得を目指す内村航平選手の出場が内定しております。このほか、学生時代を本市で過ごし、アスリートとしての基礎を培うなど、この諫早とゆかりの深い選手が出場する競技もございます。我が国で開催されるこの記念すべき大会に、国を代表して活躍する「郷土・諫早」の選手たちを市民の皆様とともに熱く応援してまいりましょう。

諫早文化会館「(仮称)文芸・音楽ホール」につきましては、その機能や建築方法について幅広い意見を参酌しながら、真に市民が望む施設、長く市民に愛される施設づくりに向けて、発展的な検討をしてまいりたいと考えております。

第2 活力あるしごとづくり
(1)地域特性を活かした農林水産業
農業を取り巻く環境は、農業従事者の高齢化や後継者不足など様々な課題を抱えておりますが、本市では、地域の特性を活かして多様な農畜産物が生産されております。市としましては、認定農業者や新規就農者等の担い手に対する支援を継続していく必要があると考えており、農地の集積による経営規模拡大、農業用機械導入による省力化や生産コストの低減、園芸ハウスなどの生産基盤整備による経営安定化に向けた支援を引き続き実施し、生産性と品質の向上を図るとともに、有害鳥獣による農作物への被害防止対策につきましても適切に実施してまいります。

農地の基盤整備事業につきましては、現在県営事業として「有喜南部地区」、「正久寺地区」、「宇良・田井原地区」において整備が実施されているところですが、今年度から新たに小長井地域の「柳新田地区」の整備が進められることとなっております。

林業の振興につきましては、豊かな森づくり基金などを活用し、間伐や植栽など広葉樹林や針葉樹林の整備を進め、森林の持つ公益的機能の発揮と林産業の収益性の向上を図ってまいります。

水産業の振興につきましては、諫早湾、橘湾、大村湾の3つの海が持つそれぞれの海域特性を活かした「つくり育てる漁業」を推進するため、魚介類の育成の場となる藻場や浅場等を保全するための取組を支援し、沿岸水域の生産能力を高め、水産資源の維持・回復を図りたいと考えております。また、経営の安定化や漁村活性化に資するため、水産加工や養殖用資機材等の導入支援や新規漁業就業者の確保・育成事業にも引き続き取り組んでまいります。

(2)活力あふれる商工業の振興と雇用の創出
本市の産業振興と新たな企業進出による雇用創出の受け皿として期待されている南諫早産業団地につきましては、分譲予定面積約20ヘクタールのうち、1工区約11ヘクタールの造成工事が本年3月末に完了し、現在は確定測量を実施しているところであります。残る2工区約9ヘクタールにつきましても、今年度造成工事に着手する予定であり、令和5年度中の完成を目指し整備を進めていきたいと考えております。

良好な交通アクセスなど県内有数の立地環境を活かし、長崎県産業振興財団など関係機関と連携を図りながら、今後の社会経済状況や民間企業の投資意欲の高まりなど機を逃すことなく企業誘致活動を推進してまいります。

去る5月28日、ソニーグループから本市のソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社長崎テクノロジーセンターにおいて、新たな設備投資がなされるとの発表がありました。先日竣工した増設棟に続き、世界的に需要が高まる半導体事業の拠点として本市を選んでいただきましたことに、心より感謝を申し上げる次第であります。本市としましても、同社の事業が順調に進展していきますよう県や関係機関と連携し、引き続き支援してまいります。

なお、同社が立地する中核工業団地は、今後も工業用水の需要の高まりが認められることから、安定的な供給を行うため、水源や送水施設などの拡張整備を推進してまいりたいと考えており、関係条例につきまして今期定例会に議案を提出しております。

中小企業者や創業者に対する支援制度につきましては、経営安定や経営基盤の強化を図り、新たな事業の創出を促進するため、金融機関と連携し、融資のあっせん、保証料や融資に係る利子の一部補給など資金調達の円滑化に取り組んでいるところであります。今後も事業者の皆様のニーズを踏まえ、必要に応じて制度内容の見直しを図りながら、本市商工業の活性化を図ってまいります。

(3)地域資源を活かした観光・物産
観光振興につきましては、新型コロナウイルス感染症の終息を見据えた上で、来年秋頃に予定される西九州新幹線の開業効果を最大限活用し、全国から多くの方々にお越しいただけるよう、昨年6月に日本遺産に認定されました「長崎街道シュガーロード」など魅力的な観光資源となり得るコンテンツを積極的に活用しながら、福岡や大阪など都市圏をターゲットとした観光物産プロモーションや様々な媒体を活用したPRなど本市の魅力を幅広く発信するとともに、スポーツ大会や合宿などスポーツコンベンションの誘致を積極的に展開し、交流人口の拡大と地域経済の活性化を図ってまいります。

なお、合宿等で訪れた競技団体からも非常に高い評価を受けている「本明川下流域のボート練習場」につきましては、県や県ボート協会との連携の下、施設の魅力を広く発信し、ボート競技の合宿の聖地としての認知度を高めるとともに、将来的に大規模大会の開催が可能となる公認コースの認定を目指してまいりたいと考えております。

道路利用者の安全確保に寄与するとともに、賑わいの場を創出し、地域情報の発信と地域住民の交流拠点となる道の駅につきましては、本市の豊富な地域資源を活かし、地産地消の拡大や生産者の所得向上のため、令和6年度までに飯盛町の国道251号沿いの圃場整備区域内に整備することとしまして、本年2月に「諫早市『(仮称)道の駅251』基本構想・整備基本計画」を策定いたしました。今後は、本計画に基づき道路管理者である県との一体型での整備に向けた協議を進めるとともに、地元や関係団体等の御意見を賜りながら、地域の魅力を活かした道の駅の整備を目指してまいります。

第3 魅力あるまちづくり
(1)安全なまちづくり
近年、大雨や台風による災害が全国各地で頻発しており、激甚化する傾向にあります。本市を流れる一級河川である本明川は、古くからこのまちに潤いと豊かさをもたらしてくれる一方、集中豪雨が発生するたびにその表情を変え、過去幾度となく大きな被害をもたらしてきました。

この本明川の氾濫による危険から市民の皆様の生命を守るため、平成29年から試行的に共同運用してまいりました本明川水害タイムラインについて、去る5月28日に市と国土交通省長崎河川国道事務所、長崎県県央振興局及び長崎地方気象台の関係4機関により連携内容等を定めた協定を締結し、今年度から本市主導で本格的な運用を行うこととなりました。

これにより、気象状況や災害状況に応じた体制や行動が共有できることとなりますので、関係機関相互に連携の取れた防災対策を講じてまいりたいと考えております。

また、市の防災情報につきましては、現在、防災行政無線をはじめ、緊急防災告知ラジオ、防災メール・ファクスなど様々な媒体を通じ市民の皆様に向け発信しておりますが、迅速かつ確実に防災情報を伝達するため、引き続き防災メール登録の啓発等に努めてまいります。

災害が激甚化する一方で、昨年からは新型コロナウイルス感染症への対応にも配慮した安全・安心な避難所運営が求められております。この課題に対処するため、県と連携し避難所の混雑状況などを市民へ随時お知らせするシステムの早期導入を目指すほか、各自治会の皆様との緊密な連携の下、感染症予防のための資材の充実を図るなど、迅速かつ安全・安心な避難所運営を行ってまいります。

民間事業者との災害時の応援協定につきましては、現在、物資の供給や避難場所の提供などに関する複数の協定を締結しておりますが、今後も引き続き新たな協定の締結に向けた協議を進め、さらなる防災体制の強化を図ってまいります。

本明川ダム建設事業につきましては、諫早大水害相当規模の雨量に対する本明川の洪水調節と、良好な河川環境を図るための維持用水等の確保を目的としております。現在、用地取得が9割以上終了し、新たに造成された集団代替地への家屋移転もほぼ完了するなど、これまで順調に事業の進捗が図られてまいりましたが、今般、国において、工事中の一般交通に係る安全確保や騒音対策などについて最大限配慮する形で本事業の見直しがなされ、令和6年度までとされておりました工期が、令和14年度まで8年間延伸される見通しとなりました。

本市としましては、本事業の実施に伴う地元地域の皆様への影響も配盧しつつ、「安全なまちづくり」のため欠かすことのできない本明川ダムができ得る限り早期に完成できるよう、今後も国に対して強く要望を行うなど整備促進に努めてまいります。また、ダム周辺地域の振興対策については、本年3月に国において決定された水源地域整備計画に基づき、国、県と連携して取り組んでまいります。

また、事前防災の観点からも、県や市の事業の採択要件を満たさない自然がけ地において個人が実施する工事に対し、必要な費用の一部を市が支援する「がけ地崩壊対策工事支援事業」や市が管理する準用河川や普通河川の治水対策として、昨年度から実施している「緊急浚渫推進事業」を進めてまいります。

(2)安心なまちづくり
高齢者の皆様が住み慣れた地域で、これからも安心して日常生活を送ることができるよう、団塊の世代の方々が75歳以上となる2025年、団塊ジュニア世代の方々が65歳以上となる2040年を見据え、今年度から3カ年を計画期間とする高齢者福祉計画・第8期介護保険事業計画を策定いたしました。今後この計画に基づき、在宅医療と介護の連携、認知症対策、介護予防と日常生活支援の充実や介護サービスの基盤整備を行うなど、ソフト・ハードの両面から地域包括ケアシステムの深化・推進を図ってまいります。

また、「自立と共生の障害者支援」の推進を図るため、今年度から3カ年を計画期間とする第6期障害者福祉計画・第2期障害児福祉計画を策定しております。この計画に基づきまして、障害のある人が、あらゆる社会活動に参画することができるまちづくりに努め、障害のある人もない人もそれぞれの役割と責任を共に果たせる社会「共生のまち」を実現してまいります。

(3)快適なまちづくり
市民生活を支える道路や水路、交通安全施設等の迅速な整備・補修を行う生活基盤整備事業及び地域リフレッシュ事業につきましては、より安全で快適な生活環境づくりのため、引き続き施設の維持補修や小規模改良を適切に実施してまいります。

幹線道路網の整備につきましては、昨年12月に閣議決定されました「防災・減災、国土強靭化のための5カ年加速化対策」を踏まえ、去る4月27日に国土交通省九州地方整備局において道路の5カ年対策プログラムが策定されており、今後も災害に強い幹線道路網の整備が、重点的かつ集中的に実施されるものと期待しております。

現在、国においては、国道57号森山拡幅及び国道34号大村・諫早拡幅の整備が順調に進められております。県においては、地域高規格道路「島原道路」のうち、諫早南バイパス線の長野インターチェンジ・栗面インターチェンジ区間について、今年度中の完成に向け整備が進んでいるほか、昨年度末に拡幅工事が完成した国道207号多良見町舟津・佐瀬間の約2.5キロメートルに続き、かねてから本市が要望してきた多良見町佐瀬から長与町岡郷までの区間約6キロメートルのうち、多良見町側の約800メートルについても、今年度から新たに事業に着手される予定であると伺っております。

また、長田バイパスを延伸する東長田拡幅、県道久山港線、県道諫早飯盛線、県道有喜本諫早停車場線、県道田結久山線の各路線の整備につきましても、順調に事業の進捗が図られるものと考えております。本市としましては、今後とも幹線道路の早期完成に向け、引き続き国・県に対し整備促進を強く要望してまいりたいと考えております。

このほか、市が実施する主な道路事業として、南諫早産業団地と県道諫早飯盛線を結ぶ市道栗面小ヶ倉線ほか1路線の拡幅整備につきましては、昨年度から本格的な改良工事に着手しており、引き続き早期整備に向け事業の進捗を図ってまいります。

また、いさはや西部台などへのアクセス道路となります都市計画道路堀の内西栄田線につきましては、国道34号諫早北バイパスまでの残る区間約240メートルについて、現在用地取得や改良工事を進めているところでございます。今後も快適なまちづくりを支える幹線市道の早期整備に向け、着実に事業の進捗を図ってまいります。

諫早駅周辺整備事業につきましては、諫早駅東地区第二種市街地再開発事業により整備を進めておりました再開発ビル「iisa」が、本年3月に全て完成いたしました。去る5月10日には、2階及び3階の商業・業務区画に係る入札を実施し、全12区画中10区画について売買契約を締結したところであり、残る2区画についても再募集により既に買受けの申出があっております。

2階フロアには、飲食と物品販売業の複合店舗が1店舗、飲食業が2店舗出店される予定となっており、3階フロアにつきましては、オフィスやサービス業の店舗として利用される予定となっております。現在、各区画では開業に向けた内装設計等が行われており、順次、開業されていくものと考えております。

また、分譲マンションなどの再開発ビルII棟の前には、一般車両の乗降スペースとなる一般交通広場が完成し、5月14日から供用を開始するなど順次、新しい諫早駅の利便性向上が図られております。今後も西九州新幹線の開業時期を見据え、駅東口の路線バスやタクシーが乗り入れる公共交通広場や駅西口の交通広場の整備を進めてまいります。

現在、新型コロナウイルス感染症の感染予防対策として進められているオンライン学習やテレワークなど、いわゆる新たな日常に対応するために必要となる超高速通信基盤の整備が急務となっております。本市におきましては、光ファイバ通信基盤の未整備地域解消を目的として、国の補助事業を活用し整備を行う民間通信事業者を支援し、今年度中に市内全域の光ファイバ通信環境を整備することとしております。これにより市内全域においてオンライン学習やテレワークがストレスなく実施できるほか、ワーケーションによる移住・定住の促進をはじめ、事業所の誘致や起業にもつながることを期待しております。

また、総務省におきまして、今年1月から令和7年度末までを計画期間とする自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進計画が策定され、全ての自治体が足並みをそろえ、行政サービスのデジタル化を推進することとされております。

本市においても、本計画に準じた情報システムの標準化やAI、RPAの利用促進に向け取り組みを始めているところであり、今後も市民サービスの利便性と質の向上を図るため、デジタル技術の積極的な活用を検討してまいります。

本年4月、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法の施行に伴い、小長井地域が新たに過疎地域としての要件を満たすこととなりました。これによりまして、国が講じる過疎対策の支援措置を活用し、同地域の持続的発展を図るための事業の実施が可能となり、早ければ次の定例会において事業計画の策定に係る議案を提出し、御審議いただく予定としております。

(仮称)小長井交流広場につきましても、この制度を活用し、地域振興のための新たな付加機能などさらなる検討を加えながら、地元の団体が有するノウハウや地域資源を活かして、より充実した賑わい創出の拠点づくりを進めてまいりたいと考えております。

第4 計画実現に向けた基本姿勢
(1)市民目線の行政
市民の皆様に市政の運営状況や生活に必要な情報などを正しく知っていただくためには、本市の情報発信力の強化が必要不可欠であると考えております。

市報については、より見やすく、ホームページにつきましては、知りたい情報に素早く・正確にアクセスできるよう抜本的なリニューアルに取り組むとともに、LINEやインスタグラム等SNSを活用して映像や画像などを駆使した即時性のある情報発信など、それぞれの媒体特性を活かした効果的な運用に努めてまいります。

また、スマートフォンやタブレットなどモバイル機器が幅広く普及し、情報アクセスポイントの充実が望まれている現状を踏まえ、市民の皆様や本市を訪れる方々の利便性向上等を図るため、市庁舎及び諫早駅の交流広場にWi─Fi環境を整えることとしております。

私は、市民の皆様の生の声を聴き、市民目線で今何が求められているかを考え、政策を立案・実行していくことが市政運営に課せられた普遍的な使命であると思います。
れからの地方自治体は、チャレンジと連携の姿勢を持って市民の皆様のために成果を追及する組織であるべきだと考えており、そのために必要な組織の改編などにも積極的に取り組んでまいります。

議員各位並びに市民の皆様におかれましては、一層の御支援と御理解を賜りますようお願い申し上げ、私の市政運営についての所信とさせていただきます。

今期定例会に提出しております各議案につきましては、関係部局長より説明をさせますので御了承を賜りたいと思います。
なお、追加議案として人事案件を予定しております。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
御清聴ありがとうございました。

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