以下は、2025年6月に行われた諫早市議会での、大久保の総括説明(所信表明)となります。テキスト化し掲載いたします。
本日ここに、令和7年第4回諫早市議会定例会を招集しましたところ、議員の皆様には御健勝にて御出席を賜り、厚く御礼申し上げます。
今期定例会に提案しております令和7年度補正予算案をはじめ、諸議案の審議に先立ち、私の市政運営への所信を申し述べさせていただきます。
2期目の市政運営に向けて
去る3月23日、私は、市民の皆様からの御付託を賜り、市政2期目のかじ取りを担わせていただくこととなりました。
令和3年4月の市長就任以来、郷土・諫早への愛情と感謝の熱い思いを胸に「来てよし、住んでよし、育ててよし!あなたのまち・諫早!!」を、郷土の近未来像に掲げ、市政の重要な柱である子育て支援の充実をはじめ、産業振興や雇用創出、快適で安全な住環境の整備、災害に強いまちづくりなど、様々な施策にスピード感を持って取り組んでまいりました。
子育て支援につきましては、「子育て支援3本の矢」として、小・中学生福祉医療費の現物給付、同時在園の第2子保育料の無償化に続き、県内市町に先駆けて、市立小・中学校の学校給食費の完全無償化を実現いたしました。
産業振興につきましては、南諫早産業団地において、トップセールスによる積極的な企業誘致活動に取り組んだ結果、大手半導体関連企業の進出が決定し、分譲からわずか3年という早さで完売することができました。令和8年度には、南諫早産業団地の新工場の稼動が予定されておりますが、さらなる産業振興、雇用創出を図るため、新たな産業団地の整備に着手したところであります。
住環境の整備につきましては、市街化調整区域の40戸連たん域内において、分譲宅地開発の規模要件を拡大するとともに、共同住宅の建築を可能とするなど、大幅な規制緩和のための条例改正を行いました。
防災・減災対策につきましては、頻発化・激甚化する自然災害に強い、安全・安心なまちづくりを目指し、専門機関となる危機管理課を総務部内に設置したほか、国や県と連携を図り、本市の防災・減災に欠くことのできない本明川ダムの本体工事の着工や半造川の引堤工事、本明川流域タイムラインやハザードマップの整備など、ハード・ソフト両面での取組を進めてまいりました。
諫早市の新たな転換期
現在、諫早市は、西九州新幹線の開業や道路インフラの整備により、県央に位置する交通の要衝としての地理的優位性が高く評価されており、大手企業の進出や事業拡張、大型商業施設の開業による雇用創出が見込まれるなど、定住人口拡大に向け、大きな転換期を迎えております。
このチャンスを逃すことなく、これからも若者世代を中心とした移住・定住の促進を図るとともに、チャレンジと連携の姿勢で様々な施策に積極的に取り組み、本市に暮らす皆様の夢がかなうまちとなるよう、全身全霊、市政運営に邁進する決意であります。
本年1月の第217回国会における石破内閣総理大臣の施政方針において、「地方創生2.0」を令和の日本列島改造として強力に推進することが示され、地方創生の推進に向けた交付金が2,000億円に倍増されたところであります。本市におきましても、この倍増した交付金を活用し、人口減少対策や地域活性化など、地方創生につながる取組を積極的に実施してまいりたいと考えております。
市政の重要トピックス
市制施行20周年記念式典
去る3月1日、本市は市制施行20周年を迎えました。この記念すべき節目の年を市全体でお祝いするため、10月4日、諫早文化会館において記念式典を開催します。
我がまちの20年の歩みを振り返りながら、まちづくりに貢献いただいた皆様の御臨席のもと、諫早市の未来に向けた新たな出発点としての記憶に残るものにしたいと考えております。このほか、年間を通じて、各種冠事業が予定されておりますので、市民の皆様とともに盛り上げていきたいと思います。
次期総合計画の策定
本年は、諫早市の最上位計画である第2次諫早市総合計画及び本市の人口減少、少子高齢化対策の推進のための計画である第2期諫早市まち・ひと・しごと創生総合戦略の最終年となっております。
昨年から次期計画の策定に着手し、市民の皆様や市内事業者へのアンケート調査のほか、今回初めて、高校生によるワークショップを行い、若い世代の意見を伺いました。
今後は、このアンケート結果やワークショップの意見などを踏まえ、産業界や地域の代表、大学生など多彩な分野の幅広い年代層で構成する諫早市総合計画審議会に諮りながら、計画を策定してまいります。
ながさきピース文化祭2025
本年9月から11月にかけまして、「ながさきピース文化祭2025」が開催されます。長崎県で初開催となる本大会は、期間中に県内各地で様々な事業が行われ、本市におきましても、全国規模の現代詩、人形劇、吟剣詩舞の3つの事業を含め、16の事業を実施します。
県内外から訪問される多くの方々に、本市の特色ある文化を紹介するとともに、この機会を捉え、自然、観光、物産など本市の魅力を全国に発信すべく、関係機関と連携し、おもてなしの心でお迎えできるよう着実に準備を進めてまいります。
それでは、令和7年度の具体的な施策の大綱につきまして、第2次諫早市総合計画の体系に従い、御説明申し上げます。
1. 輝くひとづくり
(1)健やかなひとづくり
昨年度、すくすく広場のあるアエルウエスト1階に、乳幼児期の健やかな発達を学べる研修・交流スペースや遊び場などを整備するための実施設計を行いました。この研修・交流スペースや遊び場は、すくすく広場での事業を実施しない際は親子連れに開放し、子育て中の親子が気軽に立ち寄り、交流を行う場としても活用する予定です。
本市では、すくすく広場を拠点とする子育て支援のさらなる充実を図ってまいりたいと考え、令和8年5月の供用開始に向けた予算を今期定例会に提出しております。
また、現在、外構工事を施工中の新しい太陽保育所については、10月の開所を予定し、所要の条例改正案を今期定例会に提出しております。
小長井地域では、本年3月末に長里小学校と遠竹小学校の2校が閉校し、4月から小長井小学校と統合し、全校児童142名で新たなスタートを切りました。
現在、令和10年4月の小長井小学校、小長井中学校の統合による本市初の義務教育学校の開校に向け、校舎、屋内運動場の建設について実施設計を進めており、地域の活性化につながる魅力的な学校となるよう協議を行っているところであります。
(2)こころ豊かなひとづくり
本年4月、諫早図書館が令和7年度子供の読書活動優秀実践図書館として文部科学大臣表彰を受賞いたしました。これは、諫早図書館が行う子どもの読書活動推進のための取組が顕著に優秀と認められたものであり、図書館の活動を支えてくださる多くのボランディア団体の皆様に感謝を申し上げます。
本市では本年3月、子どもの読書環境を整備するため子ども読書諫早プランを策定したところであり、今後も家庭や地域、学校、図書館での子どもの読書活動の推進に努めてまいります。
文化・芸術や生涯学習など、市民の交流拠点となる(仮称)市民交流センターについては、公募型プロポーザルにより、基本設計事業者を決定したことから、年度内を目途に基本設計を取りまとめ、早期の工事着工を目指します。同センターの設置により、市民文化の振興をはじめ、生涯学習や防災機能の充実、中心市街地の日常的な賑わい創出を図ってまいります。
2. 活力あるしごとづくり
(1)地域特性を活かした農林水産業
本市は、四季折々の豊かな自然に恵まれ、市内各地域において、その気候や地形などの特性を生かした多彩な農業が展開されています。
本市の基幹産業の一つである農業の振興につきましては、地域の特性にあった農林水産業を支援するため、農業用機械の導入による省力化や生産コストの低減、生産効率の向上を支援します。また、農地集積による経営規模の拡大に大きな効果を発揮する農地の基盤整備事業については、県と連携して整備を進めてまいります。
水産業の振興につきましては、水産資源の維持・回復を図るため、種苗放流や魚介類の育成の場となる藻場や浅場等の保全活動を支援し、橘湾、大村湾、諫早湾の3つの海が持つそれぞれの海域特性を生かした漁業を推進します。今回、新たに、陸上養殖施設の整備に対する支援を行い、つくり育てる漁業のさらなる推進を図りたいと考え、所要の予算を提出しております。
林業の振興につきましては、国土保全や水源涵養など森林の持つ公益的機能を保全するため、豊かな森づくり基金を活用し、植栽や間伐を進めます。また、森林環境譲与税の活用による未整備私有林の間伐を実施するほか、ツクシシャクナゲの保全を行い、市民に親しまれる森林の提供に努めてまいります。さらに、林業担い手の育成確保に向けた支援を行い、林業労働力の安定確保を図ってまいります。
(2)活力あふれる商工業の振興と雇用の創出
新たな企業誘致を図るため、南諫早産業団地の南側隣接地に計画している約12ヘクタールの(仮称)諫早平山産業団地については、今年度から本体の造成工事に着手したいと考え、周辺市道の整備費と併せて、関係予算を今期定例会に提出しております。
今後も県内交通の要衝である諫早の地の利をPRしながら、積極的な企業誘致を進め、新たな雇用の創出を図ってまいります。
(3)地域資源を活かした観光・物産
ランニングスポーツの普及を通じて交流人口を拡大し、市民や県民の地域への愛着を高め、開催地の魅力を発信して地域活性化を図る県内初となる日本陸上競技連盟公認のフルマラソン大会を、令和9年1月開催を目標に取り組んでまいります。
先月、長崎陸上競技協会、雲仙市、諫早市の三者で、(仮称)長崎ミュージックマラソン開催に向けた協定を締結したところであり、本年8月の実行委員会設立を目指しております。今後、関係機関との協議を重ねながら、地域の誇りを感じる大会に創り上げ、県全体を巻き込むおもてなしや関連イベントを企画し盛り上げていきたいと考えております。
また、スポーツのまち諫早の機運を醸成し、推進活動を強化するため、関係機関や団体などで組織する(仮称)いさはやスポーツコミッションを設立し、大会・合宿の誘致や、市民の健康増進への取組など、地域の活性化を図りたいと考えております。
3. 魅力あるまちづくり
(1)安全なまちづくり
本明川ダム建設事業は、本明川の洪水調節と流水の正常な機能の維持などを目的として、令和14年度の完成に向け進められております。
これまで国によりダム関連道路として整備された工事用道路及び県道、市道の付替道路は令和6年度までに全線が開通し、バス路線の見直しも実施されておりますので、ぜひとも御利用いただければと思います。
ダム本体工事については、本年2月に着工式が行われ、本格的な工事に着手されたことから、事業は着実に進展していくものと期待しております。
本市としましては、本明川ダムの早期完成に向け、引き続き国に対し要望を行っていくとともに、ダム周辺地域の振興対策についても、国や県と連携しながら、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
そのほか、事前防災の観点から、急傾斜地崩壊危険区域の対策工事を実施する市営急傾斜地崩壊対策事業や、豪雨時に道路冠水等が発生する浸水常襲箇所の栗面、西里、船越、西郷の4地区における内水対策施設整備事業につきましても、引き続き推進をしてまいります。
(2)安心なまちづくり
近年のがん医療の進歩により治療を継続しながら社会生活を送るがん患者は増加している一方、治療に伴う外見変化が社会生活に大きな障害となっておるところであります。本市におきましても、がんに罹患された方の治療と社会参加の両方を支援するため、外見の変化を補整するための費用を助成するアピアランスケア支援事業を開始したいと考えております。
帯状疱疹ワクチンにつきましては、今年度から予防接種法に基づく定期接種の対象となりました。帯状疱疹は、50歳以上になると発症頻度が高まり、70歳以上でさらに高くなり、予防するにはワクチン接種が有効とされております。
また、新型コロナウイルスワクチン接種については、令和6年度から定期接種の対象となっております。
予防接種は、個人の感染症の発症や重症化を防ぐことはもとより、感染症などの蔓延を阻止することで社会を守る重要なものと考え、所要の予算案を今期定例会に提出しております。
(3)快適なまちづくり
昨年の5月、都市計画区域の再編、区域区分の廃止、補完制度の導入の3つの柱を基本とする諫早市の新しい都市計画の基本方針を定めました。
新しい土地利用政策への転換は、現在の好調な企業誘致や大型商業施設の立地などの流れを、定住化促進と持続可能な都市の構築へつなげるための重要な政策であり、現在、都市計画に関する基礎調査を実施しているところであります。今後は、本調査結果を分析しながら、国、県、関係市町との協議を進め、諫早市の新しい都市計画の実現を図ってまいります。
高規格道路島原道路につきましては、これまで唯一事業化されていなかった諫早市小野町─長野町の区間において、本年4月1日に九州地方整備局より事業採択に向け概略ルートや構造の検討を行う計画段階評価を進めるための調査に着手するとの発表がありました。
このことは、同区間の新規事業化に向けて極めて重要な第一歩と考えており、計画段階評価が円滑に進み、早期に事業化されるよう、県や島原半島3市と連携し、全力で取り組んでまいります。
有明海沿岸道路(鹿島─諫早間)につきましては、昨年8月に本市を含む沿岸4県の26市町の自治体で設立した有明海沿岸地域振興会議など、関係団体と連携を深めながら、早期事業着手に向け引き続き、国や県に対し強く要望してまいります。
小長井地域の持続的発展を目的として策定した諫早市過疎地域持続的発展計画につきましては、令和8年度から令和12年度までの5年間を計画期間とする次期計画について、市議会の議決を経て、今年度中に策定する予定としております。
4. 計画実現に向けた基本姿勢
(1)市民目線の行政
令和5年3月に策定した諫早市DX推進計画に基づき、行政手続のオンライン化や書かないワンストップ窓口、コンビニ交付サービスの導入など、デジタル技術を活用した市民サービスの向上に努め、併せて行政事務におきましても、AIなどを活用した業務改善を進めてまいりました。
現在の計画は今年度までとなっていることから、本市の実情や国、他自治体の動向、デジタル技術の進展等を踏まえながら、次期計画を策定し、さらなる市民の利便性の向上、業務の効率化を図ってまいります。
本市は、これまで取り組んできた企業誘致や土地利用の見直しなどにより、令和3年以降、社会増が続き、市勢発展にとって追い風が吹いております。
この好機を最大限に生かし、本市に暮らす皆様の夢がかなうまちとなるよう、オール諫早で取り組んでまいります。
議員各位並びに市民の皆様におかれましては、一層の御支援と御理解を賜りますようお願い申し上げ、私の市政運営についての所信とさせていただきます。
このほか、今期定例会に提出しております各議案につきましては、関係部局長より説明をさせますので、御了承を賜りたいと思います。
よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。










